暗闇の中を
それはただゆっくりと走る
どこへ向かうのか
分からない
速度さえ
分からないままで
それは
暗闇の中を
ただゆっくりと走る
頭上の分厚い
硬い
覆いの上に
目のくらむような眩しい光があふれて
おそらくは多くの足音がきこえて
誰かの笑い声が聞こえる
輝く世界がある
その想像は暗闇の中に
影を落とす
それは今も
覆われた暗闇の中の時間を
ただゆっくりと
ただゆっくりと流れる
どこに向うでもなく
いつかどこかに
現れる
その日まで
2017.3.11 him&any
©2017 him&any
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